先日ようやく障害年金の申請を終えた。社会保険労務士を使えば少しは楽だったんだろうけど、全部自分で手続きを進めたのでものすごく時間がかかってしまった。
僕の場合は双極性感情障害と発達障害を抱えての申請なので、主に精神疾患で悩んでいるひとに向けてこのブログを書いていくことにする。
障害年金は初診から1年6ヶ月で申請可能
障害年金の申請には、初診日から1年6ヶ月経っていることが必要だ。この日が「障害認定日」となる。
すでに1年6ヶ月を過ぎてしまっているひとは、「障害認定日」まで遡及して障害年金を申請することができるが時効は5年なので、それ以上遡ることはできない。
基礎年金か厚生年金か
障害年金には大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類がある。
初診日に「国民年金」に加入していたひとは「障害基礎年金」、「厚生年金」に加入していたひとは「障害厚生年金」での申請となる。
もちろん、厚生年金のほうが手厚い保証がある。
「初診日」とは?
ここでいう「初診日」とは、その疾患で初めて医師の診察を受けた日。
ここで注意しなければならないのは、原因不明の体調不良で内科などを受診したあと精神疾患だと判明して精神神経科に転院した場合。この場合は内科などが初診日となる。
障害年金の申請フロー
まずは年金事務所で書類を受け取る
障害年金の申請窓口は住民票のある地域の年金事務所。まずはそこへ行って申請書類を受け取ろう。
年金事務所に待機している社会保険労務士の方が相談に乗ってくれ、どのような書類が手続きに必要かを教えてくれる。
「初診日」の病院で「受診状況等証明書」をもらう
申請の対象疾患となる病気で初めて受診した病院で「受診状況等証明書」(実費)をもらう。カルテなどの診療録をもとに、初診日と診療内容を記載してもらおう。
もし5年以上経過して初診日の病院のカルテが残っていない場合は、その旨を記載する書類に記入し、「受診状況等証明書」は2つめの病院で書いてもらうことになる。
「認定日」の診断書をもらう
「受診状況等証明書」に記載の「初診日」から1年6ヶ月が経過した時点が「障害認定日」となる。この認定日から3ヶ月以内の診断書(実費)が必要になる。
障害年金専用の診断書になるので通常のものよりも高い場合が多い。
時間が経過していて担当医がいない場合もあるが、その場合は当時の状況を記したメモを渡しておくのが効果的だ。
なお、精神疾患の障害年金の場合は精神科の認定医でないと書くことができないということにも注意されたい。
「現症」の診断書をもらう
「障害認定日」からすぐに申請する場合は1枚で済むのだけど、時間が経っている場合は「現症」の診断書(実費)が必要だ。
「障害認定日」から「現症」までの経過を記入してもらおう。
「病歴・就労状況等証明書」を記入
障害の原因となった病気やけがについて、発病したときから現在までの経過を記入するのが「病歴・就労状況等証明書」。年月順に期間をあけずに記入する必要がある。
受診していた時期は、通院期間や受診回数、入院期間、治療経過、医師から指示された事項、それに転医・受信中止の理由などを記入する。日常生活で困っていたことや就労状況(遅刻や欠勤の状況、周りからのサポートなど)も記載する。
受診していなかった時期は、その理由や自覚症状の程度、日常生活状況、就労状況について具体的に記入する。
同一の医療機関を長期間受診していた場合や、医療機関を長期間受診していなかった場合などは3年から5年ごとに区切って記入する必要がある。
この「病歴・就労状況等証明書」は医師の診断書とズレが生じないようにしないといけない。
その他の書類
上記の書類が全て揃ったら、年金の申請に必要な住民票(年金用は無料)を入手し、その他の申請書類を記入する。
書類が揃ったら再び年金事務所へ
精神疾患で動けないひとは書類を集めるのが一苦労だろうが、書類が揃ったら再び年金事務所へ行って申請しよう。
年金事務所の社会保険労務士が書類をチェックし、申請が完了する。
書類集めが困難なひとは社会保険労務士に依頼しよう
重度の精神疾患を持っているひとは診断書などを集めるのも大変だろうし、「病歴・就労状況等証明書」を自力で書くことができないということもあるかもしれない。
その場合は、障害年金の申請を引き受けてくれる社会保険労務士に問い合わせよう。
多少の報酬は払わなくてはいけないけれども、障害年金をもらえればそれで賄えると思う。
不明な点は年金事務所で相談
書類を集める中で不明な点があったら年金事務所に行けば丁寧に答えてくれる。
僕の場合は初診のカルテがないうえに2つ目の病院に紹介状が残っていなかった。初診日の確定が難しくなってしまったのだけれども、相談した結果スマートフォンのカレンダーを添付するということで落ち着いた。
お薬手帳や診察券が残っているひとはそれが初診の証明に使えるので捨てずに持っておきたい。
まとめ
障害年金の申請にはものすごい労力がかかった。こんなことになるなら社会保険労務士に相談して手続きを代行してもらったほうがよかったかもしれない。
ただ障害年金の申請については、書店に行けば申請方法や困った時の対処法などの載った本がいくつも出回っているので、それを参考に自力で申請してみるというのもいいと思う。
僕は、松山純子さんの『これならわかる〈スッキリ図解〉障害年金』(2017年、翔泳社)を参考に申請書類を作成した。
他にも障害年金の申請に関する本はいくつもあるので、下の「関連文献」に挙げているものなどを参考にしてほしい。
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