昨年は年末から体調を崩し、寝正月となってしまった。幸か不幸か新型コロナウイルスもインフルエンザも陰性で、まあ言ってみればただの風邪である。そんな風邪も病院で薬をもらったはいいが完治せずに年末年始の休日診療に並ぶことになってしまった。休日診療はさながら野戦病院のようで検査キットがどんどんさばかれていく。コロナ、インフル、コロナ、インフル、ただの風邪。新型コロナウイルスだけでなくインフルエンザも猛威を振るっている。くれぐれも養生されたい。
さて年が明けて2025年は、普段役所と病院でしか使わない和暦では昭和100年にあたる。第二次大戦を経ても改元されなかったのは不思議でならないが、戦後80年という節目の年である。欧米列強の帝国主義に乗っかって大東亜共栄圏などという妄想をやろうとした頭の悪い当時の為政者に強い憎しみを持っている。一説によれば、第二次大戦の死者の多数の死因は餓死だと聞く。国民を貧困のどん底に追いやってまで戦争を遂行し続けてまで守りたかった「国」とは何だったのか不思議でならない。
この問題は現代と地続きである。国防の名の下に防衛費が増額され、ある統計では文教予算の約二倍ともなっているという。国民が貧困にあえぎ、大学へ行くこともままならずにアルバイトに明け暮れ、いわゆる「年収103万円の壁」(特定扶養控除)が話題となった。最低賃金や物価の上昇を鑑みれば基礎控除を上げるのは当然のことである。
ただいつまでも大学生アルバイトに頼ってはいられない。国民民主党の提言が採用されるとしても、単純計算で時給1,500円×週20時間×12ヶ月である。実際の現行の最低賃金は残念なことに1,500円に満たないので実際はそれ以上アルバイトさせることができる仕組みである。これでは経営者の懐が豊かになるばかりだ。国民民主党は企業経営者のための政党なのだろう。これは現代の学徒出陣である。
この年末も配給に多くの人々が列をなした。東京都が新宿駅から遠く離れたところにある東京都庁でプロジェクションマッピングに多額の資金を流すなかで、生活困窮者は「自助」あるいは「共助」に頼るしかない。本当に必要な「公助」はどこへ消えたのだろうか。
大学生の困窮も、元を辿れば大学の学費の値上げ、アベノミクスの為替政策の失敗・輸入品の物価高・人件費の上昇などによる物価上昇、大学生の親世代が学費を賄えないなど、全ては日本の経済政策の失敗に起因するといっていい。今年は皇族のご子息が大学に進学されるという。年収300万円時代が叫ばれて何年経っただろうか。「朕はたらふく食ってるぞ、汝人民飢えて死ね」というプラカードが掲げられてからかなりの年月が経つが、またそういう時代の足音が聞こえてきているような気がしている。
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